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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2024年1月20日に理事長の平野千晶様と精神保健福祉士の高木紀子様よりお話をうかがう。
クリニックは2017年7月に刈谷病院のサテライトクリニックとして開院し、診療部門とリワークを行うデイケア部門を持っている。刈谷駅より徒歩10分、デンソーをはじめとしたトヨタ関連の企業が立ち並ぶエリアに位置している。
リワークデイケアの定員は20名で、開始の目安はケースによって決めており、場合によってはショートケアで開始することもあるが、最終的に月~金の5日間となる。原則3か月となっているが、実際の利用期間は5~12か月が多い。
他院の主治医の利用者も受け入れており、サテライトクリニックに通院中の利用者と他院通院中が半々である。
令和4年度のデータでは、リワークデイケアの総登録者129名のうち、自院が71名、他院が58名であった。令和4年7月から令和5年6月の月別1日平均デイケア利用者数は10~14人、ショートケア利用者は0.6~2.0人であった。土曜は月2回「復職者グループ」が開催され、毎回10~15名程度が参加している。
担当スタッフは医師のほか、常勤が看護師と精神保健福祉士の2名で非常勤の作業療法士2名、心理士が1名いる。
プログラムは9~15時のデイケアで行われ、職場復帰に耐えられるコンディションの回復を目指し、生活リズムの回復、体力つくりのための運動プログラムである「アクティブタイム」や「リラクゼーション」、活動量の測定をおこなうなどのモニタリングをおこなう。
職場での課題や自身の特徴の振り返りのため、「認知行動療法」、「メタ認知療法(D-MCT)」や「アサーショントレーニング」が集団プログラムで行われる。また、再発予防につながる知識や技能を得るため、うつ病や職場復帰に関するさまざまの情報を医師をはじめ様々な専門職のスタッフが講義形式で提供する「リワークセミナー」が行われる。
そのほかのプログラムとしては、他メンバーとの協同作業を通じて疑似職場を体験する「オフィスワークG」、復職に関する」ミーティングをおこなう「リワークミーティング」、コミュニケーション上の課題を共有し解決策を検討する「リワークプラクティス」がある。
ほかの時間は、自身の復職準備段階に応じて取り組む個人プログラムである「オフィスワークP」が行われている他、毎週スタッフとの「個別相談」の時間が設けられている。
利用者は40歳前後の男性が最も多く、次いで30台となっている。一方女性は20台が最も多く、次いで30~40台である。
クリニックの立地と密接に関係し、利用者は製造業が多いが特にシステムエンジニアが多く、工場労働者は3割程度である。他には公務員や教師が占める。双極症は2割程度であるが、神経発達症はその疑いまで入れると6~7割に達する。
児童思春期を専門としていた平野理事長の経歴から、クリニックの近隣の会社の産業医からは神経発達症を念頭に入れたプログラムを考えてほしいと要望されているというので、新たなプログラム開発が期待される。