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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年8月30日。対応していただいたのは心理士の宮城様、安田様とPSWの上野様、そして院長の横山先生と常勤医の久保先生。
クリニックは1988年に開院し、デイケアの開始は1997年で、2007年にショートケアでリワークプログラムを始めた。現在はショートケアで開始し、最終的には週5日のデイケアで終了するプログラムとなっており、定員は12名。
利用は休職者に限定し、他院からの紹介利用の場合は転院してもらい利用となる。産業医との直接の連携はないが、書面での情報提供はしている。利用者は公務員、教員、開発職が多く、大阪のベッドタウンである北摂の方が多い。
スタッフはPSW常勤1名、心理が常勤1名、非常勤2名である。
プログラムの進み方は生活リズムや症状を整えるステップ1、いろいろなことに気づくステップ2、まとめの作業に入るステップ3に分けられており、それぞれのステップでたくさんの参考図書がある。
ステップ1は週3日午前のショートケアから始まり2週間ほど続けるとステップ2の週5日午前となる。その間に症状のモニタリングができるようになる。ステップ2では、個別課題で休職原因の振り返りなどをはじめ、「グループディスカッション」や「SST」など様々なプログラムを通して、自己理解、他者理解を深めていく。ステップ2を4週間ほど継続できるようになると3日間がデイケアとなりそろそろステップ3のまとめの段階に入ってくる。
個別活動で振り返りをまとめ、今後の目標を考え、グループディスカッションでの役割も積極的に担っていくことが求められる。そのうち週5日終日のデイケアとなり、復職に向けて職場とのやり取りが始まる。
なお、午前のプログラムはリワーク利用者のみとなっており、午後のプログラムはリワークの利用者に加え他の利用者も加わる構造となっている。ただ、リワークの利用者には水曜の「コミュニケーション・グループ」(1クール6回)と金曜の「セルフコンディショニング・グループ」(1クール4回)の心理教育プログラムには少なくとも1クールの参加が求められている。
特にリワークでは前半の個別活動に力点を置いており、休職要因の抽出、自身の病気の症状と疾病理解、ストレス要因に対する対処などを個別に考えることをスタッフは支援しているのが特徴といえる。
そしてリワークでの活動をマネージするために個々の「活動マネージメント」を行い「記録表」を作成し、午後のプログラムにも参加することを促している。それを通じて、休職中の生活を充実させ、復職後に必要な作業能力を回復させることを目的としている。
復職後には「フォローアップ・リワーク」があり、月1回のショートケアが行われ、相談や交流の場となっている。
2022年度は利用者数22人で、復職したものが17名(77%)、次年度持ち越しが4名、中断が1名(身体疾患が原因)であった。復職後の半年継続率は88%であった。スタッフや医師の感想として、集団の力は感じるし、仲間の力が安心感につながるという。