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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
北岡様(公認⼼理師・臨床⼼理⼠)からお話をしていただく。
2012年5月からクリニックを開院し、リワークデイケアは同年7月から開始されている。院長の和田医師は専門が摂食障害で集団療法に以前よりなじみがあるという。開始時は週2回午後のショートケアから始め、同年9月からデイケアで実施し、2014年5月から週5日のデイケアとなっている。
対象は休職中で元の職場に復帰を希望する方とされ、主治医変更はしなくとも参加可能であるが、最低3か月は参加することとされているが、1年以内に復帰が条件つけられている。
プログラム利⽤はステップアップしていけるように⼯夫されている。
第1段階(プレリワーク)は、リワークの集団に⼊る前のスタッフとの個別の⾯談の期間で、休職の経緯やリワークに参加する際の不安を話し合ったり、⼼理検査を受けてもらい、⾃分の特徴を知るための参考にしてもらっている。
第2段階(リワーク初期)から、リワークの集団に⼊る。午前の参加に限定し、1週ごとに⽇数を増やして4週間かけて週5⽇にする。
第3段階(リワーク中期)からは、午前午後の1⽇フル参加に。グループの中で、リワークの経験と学びが積み重なっていく段階。この段階から、メンバーはリワークの⾃⼰評価質問紙に定期的に回答する。⾃⼰評価を通じて、リワークで⾃分が何ができていて、何ができていないのか知ることができる。復職と再発予防につながるリワークでの⽬標をスタッフと相談しながら作っている。
第4段階(リワーク後期)は、スタッフの協⼒を得てメンバーが職場と実際に話し合い、現実的な復職に向かっていく段階。この段階では、復職とリワーク卒業を前に、多くのメンバーが、午前は職場、午後はリワークの併⽤を活⽤している。
このような段階からなるリワークでは、参加頻度に従ってのグループ分けはせずに、個⼈に合わせて参加を増やしていっている。⽉間でのスケジュールを組んでいる。
心理プログラムとしてアサーション、認知療法、ストレス・マネジメント、SST、アートセラピーが行われる。
集団プログラムは⽉曜午前のセルフチェックの他に、「リワーク通信」を共同作業でつくるグループ作業、グループセラピー、グループディスカッション、グループ軽運動、マインドフルネスも行っている。
教育プログラムとして、看護スタッフによる心理教育・看護講座、自己分析もある。
個人プログラムとしては、個別作業が週2回行われるが、その中で担当スタッフと様々なことを相談できる個別相談の時間が隔週1回30分確保されています。また、看護師と1対1で面談する機会が月1回ある。
22ページからなるパンフレットが作られ、利用者に配布されている。パンフレットにはリワークの理念、対象者と参加条件、プログラムの進み方と各プログラムの説明に加えて、これまでの実績を具体的に紹介している。
スタッフは⼼理4名(常勤はうち3名)と看護師1名で、全スタッフがプログラムの運営と全利⽤者に関わっている。と同時に、各利⽤者には個別相談や、職場との連携を担当する担当スタッフ(公認⼼理師(および臨床⼼理⼠))が1⼈付いているのが、特⾊である。
こちらの医療リワークは個別性が重視され、特に精神分析療法に精通した心理士が担当の利用者に心理的介入を行い、休職原因や誘因への内省を促して、復職後の対策を立てるといったところに特徴がある。加えて上記の集団プログラムでの経験を通じての心と行動が変化して成長するのを目指している。
デイケアの定員は25名で現在登録が20名、平均参加利用者は18名程度という。疾患ではうつ病中心で、発達障害傾向や双極性障害は1割程度である。
本人の了解の上で産業医との連携は報告書を作成して行っている。報告書には心理的背景、自己分析に加えてプログラム中のイベントやスタッフや仲間との対人関係にも触れたA4で8~9枚の内容である。このため産業医からの紹介もある。
リワーク終了後には毎月第3土曜の10時半から15時まで「アフターリワーク」が開催され、再発予防のため午前のグループディスカッションをおこない、午後は心理プログラムが行われる。また、終了後にフォローアップ面談が行われている。