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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年8月31日 安宅所長から話を聞く。
大阪のオフィス街の中心に位置するフェスティバルタワーの高層階にあり、おそらく日本一景観の素晴らしいデイケアである。2014年4月からクリニック開設と同時にリワークが開始されている。デイケアに参加しているだけで通勤訓練となっていると利用者の方はいう立地条件。
過去2年間、中断率が9.7%と低く、復職率は90.3%であった。定員は50名の大規模デイケア施設であり、40名程度の参加者がいる。
プログラムはレベル性を取っており、レベル1は週4日半日+1日デイケアで生活リズムを整え、オフィスワークや心理教育で知識を習得する期間、レベル2は週2日半日+3日全日で認知行動療法を受け、自己分析をして働き方を再検討する。
レベル1から木曜午後に行われる「心理教育」は、セルフケアや健康管理に関連する16種のテーマから知識を習得し、心身の健康維持と実践を目指すプログラムである。
レベル3は月~金の全日となり、再休職予防策を考えることを目的とし、水曜日・金曜日の午後には職場を模した環境で実践する「アドバンスプログラム」が行われる。
「アドバンスプログラム」はスタッフからの依頼に沿った資料をチームで作成したのちプレゼン発表を行う集団プログラムで、1か月1クールで行われる。そこでの模擬作業を通して、レベル2で考えた再休職予防策を実践・再検討していく場となっている。体験説明会が週2日実施されている。
「集団認知行動療法プログラム」は3名の心理士により1クール6週間で実施されている。レベル2~3で少なくとも2クール参加してもらう。認知再構成、ACT、セルフコンパッション、マインドフルネスなどを通じて認知行動療法のエッセンスを吸収でき、自分に合ったツールを持ち帰れる。
また、卒業生を対象に3~4か月に1回土曜か祝日に「フォローアッププログラム」を行っているが、毎回30名くらい参加する。
スタッフは看護師3名、心理士3名、精神保健福祉士1名。定員は50名で、開始間もないレベル1の方から復職間際のレベル3の方まで同じ場所で過ごすので、ピアサポートの効果が出てくる。また、固定した担当制を取っていないので、複数のスタッフが関与し、様々な視点から気づきを得られるのが特徴の一つである。
周囲の医療機関との関連が強く、主治医は他院が7割を占めている。メンバーはかつてはホワイトカラーでハードワーカーが多かったが、現在は若者が多くなり、発達障害の傾向を持つ方が増えてきているといった利用者の変化を感じる。
企業との連携は報告書による情報提供の他、必要に応じて会社に出向いての面談も実施していた。現在は企業連携は必須としており、開始時、中間、終了時の3回は少なくとも対面やオンラインで面談を行っている。本人と企業が考える休職要因のズレをなくすことが主目的であるが、企業側の満足感を高めることは医療リワークの価値を高めることにも繋がると考えている。