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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2011年より、既存のデイケアに復職支援コースとして新たなグループを加える形でリワークプログラムを実施している。復職支援コースの定員は10名、専任スタッフが2名(公認心理師、精神保健福祉士の各1名)である。
対象は気分障害や不安障害により休職中の方としている。他院に主治医がある方も受け入れているが全体の1割程度で、院内の主治医経由で紹介されてくる利用者がほとんど。主治医からの紹介の背景に、産業医からリワークをすすめられた、というケースも増えている。
プログラムはクラス制を採用し全体で4クラスに分けている。一週間のスケジュールが固定されており、クラスを移行するごとに参加できるプログラムの時間と内容的負荷が増える仕組み。クラスの移行は一定の要件のもと個人の状況に合わせてスタッフが判断する。
どのクラスまで進むかは、復職に向けた課題や目標と期間を個別面談で話し合い、利用者自身の希望にも応じて決める。折々にふりかえりのワークを取り入れ、自己理解とセルフケアの向上に取り組む。
すべての利用者がショートケアで参加日数は任意のクラスから通所を始めることになっている。認知行動療法やグループワークなど全てのプログラムに参加するクラスでは、認知機能回復プログラムである「NEAR」も行う。2016年から、北陸で初めてリワークに「NEAR」を取り入れた。
疾病理解のための「医学的心理教育」を精神科医(理事長)が行うことや、グループワークを伴うプログラムは約3か月1クールとしてある程度固定した参加者で実施するのが特徴。
既存のデイケアでは利用者の高齢化があり、登録者は減少しつつある。復職支援コース利用者は時期による変動が大きいが、コロナ感染拡大以降は以前に比べて少ない状態で推移している。
近年は、元もと中心的な利用層だった30~40歳代の男性が減り、20歳代、女性の利用者が多い傾向にある。金沢市内からの利用が最も多いが、県内の広い範囲や富山県からの利用もある。病院の立地は公共交通機関での通院には不便もあるが、自家用車でのアクセスは良い。
実施状況としては開設以来、延べ約200人が利用している。2023年度に行った分析では、全てのプログラムに参加し復職した109例でみると一年後の就労継続率は77.3%、二年後では65.0%であった。
復職後のフォローアッププログラムも行っている。土曜日にサテライトクリニックであるJクリニックで開催。