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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年12月1日に訪問。公認心理師・小林真実様、保健師・平木茜様、精神保健福祉士・坪川知世様からお話を聞く。
デイケアよつ葉のなかで「リワークプログラム」として2009年に開始され、その時々の参加者のニーズによりプログラムを入替しているが、4年前にはコロナの不安緊張を和らげるためにマインドフルネスヨガを導入して好評で継続しているという。
月~金のデイケア(9時30分から15時30分)でプログラムがあり、火・水・金の3日間は16時から20時のナイトケアがある。
デイケアではプログラムとして、①「自主学習」で病気について本を読み勉強し、各自の課題を行う。課題は時期や状態に合わせて決め、振り返りや対人関係、認知療法などの治療的な内容から、復職直前は業務や資格の勉強を行うなど自分のペースで行う。
②卓球、ヨガ、ウォーキングから選択して行う「スポーツ」、③「グループワーク」では、病気の振り返りや再発防止シート、プレゼンテーションなど行うほか、各自のテーマを必要なアウトカムに合わせて技法(認知療法、テーマトーク、コミュニケーションのロールプレイ(SST)、問題解決技法、サイコドラマ、課題分析など)を選択して行う。
そのほか、生活リズムを整えて生活の質を取り戻す「ステップ」や睡眠日誌、自律訓練法、臨床動作法なども行っている。
④「マインドフルネス」+「脳トレ」を週2回行っている。これにより、今の自分の作業スピードがどのくらいなのかを計ることができ、客観的に回復過程を認識できる。
⑤ナイトケアは、より復職後の勤務時間に合わせた活動をしていくためのプログラムである。火・水・木の3日実施され、希望者のみが参加するが、すでに復職したメンバーもそこに参加しており、現在の参加者と復職しているメンバーの相互交流を図る機会でもあり、こちらの医療リワークの特徴の一つといえる。復職者にとっては復職継続を支えていくための場所となっている。
ナイトケアでは現在の参加者と復職しているメンバーの相互交流が図る機会でもあり、こちらの医療リワークの特徴の一つといえる。プログラムとして、「筋トレ」「ダンス」などもある。
リワークのステップ1として本人の病状の回復度合いに合わせて週1日から始める人もいるが、おおよそ2~3週間で週5日の参加となる。この期間に心理検査と結果説明を受ける。また、今に至る経過を確認する面談を行い、生活リズムの確立と各自の病気の勉強を開始する。
ステップ2では、週5日参加できる段階となって、スタッフと相談しながら病気の振り返りをまとめていく。それをグループワークでみんなの前で発表し、他のメンバーからの意見や質問を参考に自らの課題や目標を立てていく。
この期間は、早いと2週間、長いと5、6ヶ月と個人によって大きく異なる。この間に、スタッフが職場訪問を行い、職場側から業務のために必要な課題と復職の手続きを伺い、よりスムーズな復職のための準備を始める。
ステップ3は、振り返りを通して理解した課題や目標、職場からの意見に合わせて、「認知療法」や「SST」その他「グループワーク」を利用して、様々な対処法を身につけ、自分にとって特に苦手なことにも取り組む。
ステップ4は復職を目指して調整を行う時期であり、ナイトケアも推奨されている。必要に応じて、スタッフが職場とも調整をとり、復職後の支援も検討する。リワークでの学びを再発防止シートにまとめる。
リワークは、リハビリ出勤開始で終了するが、その後も必要に応じて参加・相談が出来るので、安定した出勤まで十分なサポートを受けることができる。
ステップ5は、復職後のサポートで、診療日にデイケア・ナイトケアのグループに参加し、希望すれば面談を受けることができる。また、ナイトケアでは2ヶ月に1度の復職者の談話会「ぼちぼち会」が行われている。
登録者は30人前後あり、平均利用者は20~30人である。他院に通院中で利用している人が2割程度。入院からのケースは2割程度である。職種は公務員、民間の会社員がほぼ半々である。
スタッフは心理職2名、看護職1名、精神保健福祉士1名であるが、個別性を重視するため、開始時からスタッフが関与して各ステップを上がっていく支援を行っているのも特徴である。