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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年2月17日15時に訪問、病院の紹介から始まる。
デイケア主任の清水陽平氏に案内され、北海道で唯一のストレスケア・思春期病棟(48床)を見学する。
2階建ての明るくて広い病棟で、思春期、引きこもりに加え休職中の患者もいる。リワークプログラムは同じ敷地内ではあるが、戸建て住宅を改装した「リワーク・ヴィレッジ」で実施している。外部EAPとして札幌CBT&EAPセンター(センター長;坂野先生)がある。外部EAPは2013年に開設、4名の医師が産業医で関与し、契約は150社。
「リワーク・ヴィレッジ」はストレスケア病棟で入院している方が復職しても再発や再休職が多かったので、千丈先生が院長であった平成19年5月に開設された。開始にあたって横山先生のところを参考にした。プログラムの目的として、就労能力の回復と、再発予防スキルの獲得が掲げられている。
利用期間は3~6か月でありコース制になっている。個人作業や心理教育を中心としたAコースを終えると、次にグループワークや職場を再現したプログラムが多いBコースへとステップアップしていく。平均すると、Aコースは2か月程度、Bコースは3か月程度。スタッフは専任2名に加えて、1名いる。プログラムはAコースが7つ、Bコースが17あり、AB共通のプログラムが他に8つある。開催頻度は月1回、毎週、隔週とプログラムによって定められている。フォローアップは復職半年以内を対象として2013年から第2・4土曜に行っており、参加者は3~5名程度で開催している。フォローアップはその他にも3か月ごとに開催されているものもあり、こちらのグループは復職後3年以内の方を対象としたものになっている。
自己洞察はスタッフとの面談に加え、浦河べてるの当事者研究を参考にして他者からの視点も重視してグループワークで意見ももらう。完成した自己洞察をまとめたものは、産業医面談時に提出する人もいる。
発達障害の利用者は検査を受けてもらい特性をフィードバックするが、内省が深まりにくい方もおり難しさを感じている。休職中の利用者以外に離職した人も受け入れている。再利用者も受け入れているが、導入面談で課題を明確にする。
主治医はほぼ院内で、他院主治医は20名のうち2名程度。月1回報告書を発行している。院内の利用者ではストレスケア病棟を経てくる人が1/3くらいで、残りは外来から。通院の範囲は小樽、江別、千歳など札幌近郊から来る人もいる。
実績として、平成19年以降、令和3年末までのデータとしては、利用総数369人、1日平均9.1人、復職・再就労者は242名(約66%)、平均年齢38.6歳であった。また平成31年~令和3年の直近3年間の転機では、利用者総数68名で復職・再就労は47名(69.1%)で復職後6か月経過時の就労継続は40名(85.1%)、1年経過時は31名(65.9%)であった。
かつての病棟を改修したデイケアが2単位(各50人定員)あり、その中にリワークも含まれている。就労支援や手工芸、運動療法や調理など様々な活動をしている。
リワーク施設間での交流は大谷地病院、さっぽろ駅前クリニックの3施設が中心となった勉強会に障碍者職業センターや千歳病院が加わることもある。