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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年3月25日(土)11時~13時、
対応いただいたのは、松田匡弘氏(センター長、OTR)、藤井朋広氏(デイケア主任、MHSW)、院長の露木美也子医師。
2006年に医療法人栄仁会宇治おうばく病院でリワークプログラムを始めた。2011年に現在の京都駅前クリニックに移り、定員49人のデイケア施設でリワークプログラムを実施、現在登録数42人、実際の1日当たり利用者は30~35人程度。
プログラム中は転院してもらいリワーク担当医(露木院長含む)が主治医となる。復職後は原則として元の主治医に戻る。うつ病や双極性障害、適応障害、不安障害がメインだが、背景に発達障害もしくは発達障害の傾向を抱えている方は通所者の40%程度だという。
リワークプログラムには大きくわけて通常利用と短期利用の2コースがある。さらに通常利用の中にも2つのコースが作られている。メインの利用方法となる通常利用のスタンダードコースはステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ、復職準備ステージの4つのステージに分けている。
ステージⅠは生活リズムを整えること、集団に慣れることを目標としており、まずは安定通所できることを目指す。週3日ショートケアから開始する方が多く、週3日デイケアになるまで、1か月くらいを目標としている。
ステージⅡは、デイケアで週4~5日参加し、コミュニケーション講座やストレスマネジメント講座などへの参加を開始する。プログラムを通じて対人関係や思考の癖などを振り返り、自身の休職要因の分析に取り組む。
週5日の安定通所、休職要因の振り返りが完了すると、ステージⅢとなる。ステージⅢでは、実行委員などの長期的なグループ活動に参加して行動変容に取り組み、再発予防策の検討や実施を行う。
復職準備ステージは、復職後を想定した生活を送ること、職場と連携してリハビリ出勤の計画や復職後の働き方を検討する。リハビリ出勤と併用して、デイケアに通所することも可能であり、リハビリ出勤中の悩みなどもスタッフ、利用者と共有することができる。
スタンダードコースのプログラムとしては、午前中にはデスクワーク(個別作業)が行われており、課題図書の読書と要約、休職要因の分析、復職後の対処法をまとめる作業を行う。グループプログラムとしては、クラフト、健康講座、心理教育(医師による講義)、ヨガ、動作法、コミュニケーション講座(3か月1クール)、ストレスマネジメント講座(3か月1クール)、振り返りミーティング(利用者主体のミーティング)、模擬会議などのプログラムがある。
そのほか、デイケア内の生き物の管理や図書の整理、振り返りミーティングのテーマ決めなどの係活動(回復レベルや元々の業務内容などを考慮する)と、デイケア活動の企画・運営を行う実行委員活動(目標を設定し、復職評価に反映する)がある。これらの係活動や実行委員活動の定例会議はデスクワークの時間に設けられており、利用者個々に個人作業のスケジュールの調整が求められるという。
また、主にブルーカラーの利用者に合わせて、カスタマイズコースも設定されている。利用者の業務内容を詳しく聞き取り、対人折衝などが殆どない方には、グループ活動を除くなど、業務内容や職場内の役割に合わせた支援が行われている。
短期利用コースは8週間で終了するコースで、他院主治医も受け入れている。現在の利用者4名(2023年10月)で、8週間の通所スケジュールや作業・プログラム内容は事前にきまったものに取り組んでもらう。また、短期利用だけでは、復職が難しいと感じる場合は、通常利用への切り替えも可能とのこと。
利用期間は通常利用で7~8か月、年齢層は30~40代が多く、公務員や大企業から中小まで様々な企業の利用者が通う。ここ数年は女性の利用者も多く、比率としては約4割程度だと。
土曜日はフォローアッププログラムが実施されている。訪問当日は土曜日でフォローアッププログラムを行っていた。参加メンバーは6名で、職場での出来事を取り上げ、参加者全員で対応方法を検討するワークを行った。その後は動作法を行っていた。