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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年2月18日(土)10時に札幌市の北大病院リハビリテーション部を訪問した。お会いいただいたのは精神科作業療法士の富永巧氏。リハビリテーション部はPT、OT、STで構成されており、OTについては、高次脳機能障害を含めた身体障害領域のOTと、精神障害領域のOTに分けられている。
精神科OTの活動時間は1回あたり2時間(9~11時、13~15時)、午前か午後のどちらかである。基本的には曜日や時間の固定を推奨しているが、参加者の体調に合わせて、短時間参加や隔週での参加も可能。
精神科OTの対象者については、入院患者と外来患者どちらも対象としており、急性期や回復期の機能回復を目的とした方や、寛解し地域生活の維持を目的としている方、復職や再就労、事業所へのステップアップを目的とする方など、幅広く対象としている。
精神科作業療法のプログラムとしては①~③に分けられている。
①OTワーク:集団の場で行う個人活動。手工芸やパソコンを使った作業を実施している。月~金の毎日実施しており、参加者は1回につき10名程度。パーテーションで区切られたブースもあり、リワークの人は他者目や会話を気にせず、個人の課題を行うこともできる。
②運動系プログラム:ヨガには5~10人が参加、軽スポーツとして卓球とバドミントンを実施し5~10人の参加、ウオーキングなど。
③集団プログラム:共同活動(Collaborative Activity、CA)は参加者5名程度で、他者交流の練習の場、SST、アサーション、ディベートなどを実施している。青年グループは参加者5名程度であり、話し合い、コミュニケーションの練習やレクを実施している。そのほか調理活動などの集団プログラムも実施している。※コロナウィルスの感染症対策として、現在集団プログラムは実施しておらず、再開未定。
その他のリハビリテーションとして、2006年から集団認知行動療法(CBGT)や2010から認知リハビリテーション(NEAR)を実施しており、プログラム参加者の復職や社会復帰に大きく寄与している。CBGTについては、週1回のプログラムを12週かけて行い、NEARについては、週3回のプログラムを11週かけて実施している。(疾患によって期間は異なる)
現在リワークに特化したプログラム等は実施されておらず、休職者に関して職場との綿密な連携などはないが、作業療法の参加者の中には休職者も参加されており、認知リハビリテーションや集団認知行動療法も必要に応じて組み合わせて実施することにより、復職を遂げている実績もある。