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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2024年1月19日。医療法人明心会 上豊田こころの絆クリニック「リワーク」心理士の田中さん、保健師の吉永さんより説明をいただく。
1995年に仁大病院(1988年開院)のサテライトクリニックとして開院した「仁大駅前クリニック」(2007年から「リワーク」を開始)が、2022年6月に仁大病院の外来機能も統合されて「上豊田こころの絆クリニック」として開院した。
そこでは、外来部門のほかに、デイケア、リワーク、訪問看護に加え、同法人による同じ敷地内に就労継続支援施設「J’sワークス」が併設されている。建物は3階建で、1階が外来、2階が「リワーク」、3階が「デイケアL’s」という一般のデイケアである。
「リワーク」は「O’sプログラム」(事務職のプログラム)と「P’sプログラム」(専門職のプログラム)という職種別リワークに分かれ、復職者の業務に合わせたリワークが行われている点が特徴といえる。
いずれも週4日以上の参加とされ、利用期間は1年が限度となっているが、生活リズムが整わない場合には仁大病院のストレスケア病棟に入院する場合もあり、また、3階の「デイケアL’s」で週3日まで通所して体を慣らす場合もある、という。
「O’sプログラム」は事務職やPC作業をする職種のためのプログラムであり、プログラムは「オフィスワーク」が中心となる。このプログラムは復職までのステップを意識して、①ウオーミングアップを目的とするステップ1、②脳の前頭前野を刺激し、現在の自己能力や疲労度合いを知るステップ2、③自分の考えを文章化し、客観的な視点を養うことを通して復職を意識した実践的プログラムを行うステップ3、の段階が設定されており、各自が様々なワークを行う。
集団でのプログラムとして「ミーティング」「テーマトーク」「新聞グループワーク」「セルフケア」「プレゼンテーション」などのプログラムがある。また、講義形式でおこなう「心理学習」と「認知行動療法実践編」で認知行動療法を学ぶ。認知機能の改善を目的とした「コグトレ」も行われる。
毎週15分の「スタッフ面談」が個人面談として行われ、相談のほかにプログラムの進捗状況も把握される。その他、運動プログラムが提供されている。定員25名で、利用者の年齢は各年齢層は概ね均等であり、2022年6月~2023年12月までの延べ利用者は81名であった。スタッフは常勤で心理士2名、看護師2名、PSW1名、非常勤でPSW1名が配置されている。
「P’sプログラム」は本クリニック開設とともに新たに作られた専門職(工場や現場作業員、教員、警察官、消防士、保育士、医療や介護等)のためのグループで、グループワークや体力作りが中心となっている。
プログラムは「ワークトレーニング」で各自の目標をもとに復職時に必要な集中力・作業能力を取り戻すためのトレーニングを行うことを基本としている。集団で行う「テーマトーク」「コグトレ」「心理学習」「セルフケア」「集団認知行動療法」「新聞グループワーク」などは「O’sプログラム」と共同開催される。
また、3階に用意されたフィットネスルームでの「フィットネス」や「ウオーキング」などの運動プログラムがあり復職後の体力作りを行う。定員は45名で40~50代が比較的多い。2022年6月~2023年12月の延べ利用者は105名であった。スタッフは心理士1名、看護師4名、非常勤OT2名が配置されている。
復職後は「リワークフォローアッププログラム」が3か月に1回、土曜日に開催され、復職後1年程度は参加できる。
本施設の特徴は、企業の業務内容に合わせた利用者の個別的なニーズにこたえるため、2つの職種別リワークをプログラム化している点である。また、体調が整わない利用者に対しては、一般デイケアを利用することにより、プレリワークとして治療している点である。