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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
院長の奥山祐司先生、主任でOTの赤木祐太郎様に加え、設立経緯やその後の変遷を含め、立ち上げ当初からリワークに関わっていた藤田メンタルケアサテライト名駅院長の森脇正詞先生、主任で臨床心理士・公認心理師の田中伸明様より話をうかがう。
2014年に桶狭間病院藤田こころケアセンターのサテライトクリニックとして藤田メンタルケアサテライト徳重北を開院しリワークを始める。
対象は、ストレスや発達障害から生じるうつまたは不安を抱える方で、週5日、リワークに一日通所可能な状態である休職中または離職中(離職3年未満)の方を、標準コースの利用対象者としている。
病状がまだ安定しない場合には、週3日からの通所や、同系列の藤田メンタルケアサテライト前後駅前内こころリハビリセンターのショートケアから開始し、標準コースに移行することも可能。
標準コースでは主治医が他院の方も受け入れている。
利用者層は地域柄、大企業の方が多く、登録者数は変動はあるが30名前後、男性、休職者、30~40代が多い。なお、他院主治医の方が半数近くを占めることもある。
診断としては多い順に、うつ病・双極性障害、適応障害・抑うつ状態、発達障害である。なお発達障害の診断がついている方の割合は10~20%である。
(写真は当サテライトのスタッフによって再現)
3段階のレベル制でプログラムを実施しており、健康的な生活基盤を土台に(レベル1)、自身への理解を深めた上(レベル2)で再休職予防に向けて自分にあった健康的な生活と働き方を検討する(レベル3)レベルごとに目標を明確にし、安心して復職する準備を整えていく事を目指す。
うつ病リワーク協会の標準化リワークプログラムに基づいたプログラム構成に加え、 近年、発達特性から働きづらさを感じている利用者が増加している背景から、ウェルビーイングの考え方の導入や、課題だけに焦点が当たり過ぎないよう介入の軸の修正、WAIS-Ⅳ、AQ、CAARS、感覚特性をとらえるAASPなどといった検査や、発達特性を踏まえた支援・取組に力を入れている。
上記の標準コースの他に、2023年11月から短期集中(復職直前)コースが新設された。標準コースでは利用期間が半年を超えることが多いので、復職直前だが職場復帰の準備に不安を抱えている方に合わせて6週間(少なくとも4週間、最長7週間)で修了するコースである。
短期集中(復職直前)コースで提供される中心的なプログラムは、実際の作業を通しての「自己分析」、生活習慣の見直しと良い習慣づくりを目指す「働くための健康管理(基礎)」、認知(自分のものの受け取り方や考え方)に働きかける「認知行動療法(基礎)」であり、プログラムを介して、自己理解を深め、コース修了時に「働き方検討シート(休職に至った経緯を整理し、復職後の対策を策定する)」が完成するようにしている。
短期集中(復職直前)コースに関して、現段階で対象者は医療法人静心会の関連施設に主治医がいる方に限られている。
利用するコースを問わずフォローアップのためのOB会が毎月1回土曜に実施されている。また、家族教室が年間3回行われている。
職場連携として会社産業医・産業保健スタッフ・上司の方との合同面談を実施。必要に応じて2回に分けて実施することもある。また、MHSWを介して外部支援機関との連携も意識している。
標準コースの転帰としては、2018年6月~2022年10月の利用者131名のうち98.5%が復職し、復職後の就労継続率は1年後が92.2%(n=51)、2年後が80.6%(n=36)であった。