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※当事務局には医師は常駐しておりませんので、ご病状や治療、お薬に関するご質問・ご相談には 対応することができません。また、医師や病院の紹介は行っておりませんので、ご了承ください。
2023年6月30日に訪問。
院長の楢林先生、リワーク専任のスタッフの山本さん(看護師/公認心理師)岡さん(精神保健福祉士/公認心理師)田中さん(作業療法士)からお話をうかがう。
1980年にクリニックが開院し、リワークプログラムは2009年から開始している。
プレリワークを一般のデイケアでおこなって症状の回復度合いを確認し、リワークプログラムに導入するケースもある。他院が主治医の利用者も受け入れているが、滋賀県のメンタルクリニックのネットワークがあり、主治医から紹介されてくる。会社の産業医がプログラムを紹介する場合は主治医を通すか、社員に直接リワークを紹介し社員から主治医に相談する流れがある。
このように他院主治医との関係性が強いことが、本施設の特徴の一つとして挙げられる。したがってフォローアップのプログラムはなく、復職後は主治医の元に戻ることになる。
利用者は電車で1~2時間の範囲の滋賀県内や京都からも来る利用者がいる。利用期間は半年くらいが多く、長いと1年という。
実施されているプログラムは昔からあまり変わってはいない。週2日からのレベル性をとっており、週2日(ショートケアとデイケア各1日)から始まるが、週5日デイケアのレベル5まで段階的に負荷が増える。
午前中は主に個人プログラムではスタッフが関与しながら利用者の職種や状況に応じて内容が組み立てられている。この点は、「濃厚な精神療法」と院長が表現するように、個別性を重視しているところが特徴である。開始時から担当スタッフがつくが、集団にはいっても個別性を重視し、スタッフが本人に指導する形で介入する。
集団プログラムは「ペーパークラフト」や「テーマトーク」などのプログラムで役割を決めての活動、また、外部講師を招いて集団認知行動療法やSSTなどで対人コミュニケーションの向上を図るプログラムが用意されている。
協会の評価尺度を用いてプログラム中の評価を行っている。また、利用者からデイケア中の「振り返りレポート」を提出してもらっており、スタッフのモチベーションの維持に役立っている。
毎年6月30日現在のデータを集計しているのでその最新の結果をいただいた。それによると、開院以来の利用者は241名で男性が73%を占めていた。初回利用時の年齢は30代が30%、40代が35%、50代が20%であった。
休業からリワーク開始までの期間は6か月以内が50%を超えていた。所属としては公務員が52%を占め、職種では事務職が47%、技術職が20%、教員・保育士が14%であった。発達障害傾向を持つ利用者は30~40%、双極性障害は10%程度である。
主治医は院外が62%と半数を超えていた。診断はうつ病圏90%を超え、双極性障害は10%程度であった。ASDの可能性は30%程度あった。中途退所が19%あったが、修了者の6か月転帰(n=190)は82.6%、12か月後(n=178)は74.2%、24か月後(n=157)は73.2%、36か月後(n=132)が66.7%が就労継続していた。